top of page
ベース


オケージョン認知について
はじめに 従来の広告評価指標の多くは、広告内容がいかに正確に記憶されているか あるいは何回接触したかという点に重きを置いてきましたが、 オケージョン認知は「どのような文脈で記憶されたか」 というエピソード記憶的な側面、つまり記憶の質に焦点を当てています。 メディアミックスの主流となっているテレビ広告・ネット広告・交通広告で発生すること、 およびオケージョン認知した人は、高い行動率を示すことが実証されています。 2017年調査による3メディアのオケージョン認知の発生率比較 オケージョン認知とは何か 「広告を見た記憶が、その広告に接した時の状況や場面(オケージョン)の記憶 と結びついた形で保持されていること」と定義されています。 たとえば、 「朝、山手線に乗っている時、新商品の飲料を電車内の広告で見て購入した。」 「帰り道に渋谷駅の通路で展覧会の広告を見て、実際に行った。」 このような『広告を見たときの状況(オケージョン)も覚えている』広告の認知のされ方がオケージョン認知です。 テレビ広告に比べ て交通広告において出現率が高いと...
敦 緒方
1月12日読了時間: 3分


ブランド・セイリエンスとの関係性
オケージョン認知の行動効果を解明するために、ブランド・セイリエンスとの関係を調査・ 研究しました。 調査は、2020年9月25日~27日にネット調査にて 「ペットボトル飲料」・「消費者金融」・「化粧水」・「フードデリバリー」・「パソコン」 の5カテゴリから1~3ブランドを選定の上、実施しました。 ブランド・セイリエンスとは ブランド認知が「そのブランドを知っている」ことに対して、ブランド・セイリエンスは、「そのブランドをよく思い出したり意識したりする」という状況のことを意味します。 ブランドとして成立するための土台となる概念、ブランド構築の起点となります。 ブランド・セイリエンスの高いブランドは、リマインドされることが多く存在感のあるブランドを意味します。 ブランド認知が広告効果を示す指標に対して、ブランド・セイリエンスはブランド効果を示す指標です。 オケージョン認知はブランド・セイリエンスを高める ブランド・セイリエンスにオケージョン認知が与える影響度について分析するために、 ブランド・セイリエンスの高い人・中くらいの人・ない人における...
敦 緒方
1月12日読了時間: 3分


オケージョン認知とセレンディピティ
オケージョン認知の行動効果との関係性を研究するテーマとして『セレンディピティ』を 設定しました。 意図しない広告接触がオケージョン認知を高める可能性についての研究です。 とくにOOHの広告の可能性に焦点を当てました。 1)セレンディピティの概念と非計画購買への寄与 セレンディピティ(Serendipity)は、非意図的または偶発的な探索の中で、予期せず価値ある事柄や有益な発見をする現象を指します。マーケティング領域において、セレンディピティは、顧客エンゲージメントの向上や非計画購買の発生に大きく貢献します。例えばECサイトにおいては、顧客が特定の目的を持って商品を探している最中に、高性能なレコメンドエンジンによって目的外の商品の中から「これは使える」と思える商品と出会うことで、それがセレンディピティとなり、非計画購買へとつながることになります 。 セレンディピティは単なる偶然ではなく、顧客がその発見に価値を認めた瞬間に発生する「 価値ある偶発性 」です。 2)OOH空間が創出するセレンディピティ体験の構造 OOHメディアは、物理的な
敦 緒方
1月12日読了時間: 8分


オケージョンブランディングに向けて
1. オケージョン認知の概念的定義と広告効果評価における革新性 過剰に飽和した現代のメディア環境において、従来の広告評価指標である「広告内容の正確な再認」や「単純接触回数(インプレッション数)」は、消費者の実際の購買行動を予測する先行指標としての有効性を失いつつある。この課題を克服する革新的な概念として提唱されたのが「オケージョン認知」である。オケージョン認知とは、単に広告クリエイティブやブランド名を覚えていることではなく、「広告そのものについての記憶が、その広告に接したときの状況や場面(オケージョン)の記憶と密接に結びついた形で保持されている状態」と定義される。たとえば、朝の通勤電車内で特定の飲料広告を目にし、その時間的な焦燥感や車内の空気感(オケージョン)とともに広告を記憶しているような、個人の実生活における文脈(コンテキスト)と不可分に結合した記憶構造がこれに該当する。 実務的な測定においては、広告を見たときの状況や情景について、従来の「認知の有無(あり/なし)」の2段階評価ではなく、広告認知率等の一般的な調査と同様の3件法を用いた評価スキ
Ogata
17 時間前読了時間: 16分


大谷選手出場試合における日本企業広告の独占:オケージョン認知理論から多業種参入のメカニズムをみる
ロサンゼルス・ドジャースの本拠地であるドジャースタジアムをはじめ、大谷翔平選手が出場するメジャーリーグベースボール(MLB)の試合中継において、多種多様な業種の日本企業の看板広告が画面を独占する現象が大きな注目を集めている。この広告看板の掲出に参入している企業は、ダイソーやユニクロ、コーセー、ヤクルト、築地銀だこなどの一般消費者を対象とするB2Cブランドにとどまらない。配管資材の専門商社である日本管材センター(kanzai)や、直動システムメーカーのTHK、不動産開発・アセットマネジメントを行うサムティといった、一般消費者との直接的な接点が極めて少ないB2B企業までもが、巨額のスポンサーシップ費用を投じて名を連ねている。 野球という競技や、米国ロサンゼルスという地域社会と直接の事業関連性を持たない多様な日本企業が、なぜ大谷選手の出場試合という特定の空間に殺到し、中継画面の独占を試みるのか。この現象は、従来の単なるリーチ(到達率)の確保や、単純接触効果(ザイアンス効果)の追求といった古典的な広告枠組みだけでは説明がつかない。...
Ogata
1 日前読了時間: 16分


ブランドオケージョン認知とブランドマネジメントにおける有効性
1. 認知から想起へのパラダイムシフト:ブランドマネジメントの新たな課題 現代のマーケティング環境において、消費者が接する情報量は劇的に増加しており、従来の「ブランド名を知っている」という単純なブランド認知(Brand Awareness)だけでは、実際の購買行動を予測し、コントロールすることが困難になっている。 情報過多の時代において、消費者はすべての選択肢を論理的に比較検討するのではなく、特定の状況やニーズが生じた瞬間に脳内で「最も想起されやすい」ブランドを無意識に選択する傾向を強めている。このような背景から、ブランドマネジメントの焦点は、単なる認知の「量」から、特定の文脈に紐づいた想起の「質」へと移行しつつある。 本レポートでは、「オケージョン認知」の概念を拡張し、ブランド想起時におけるオケージョンの記憶の有無を「ブランドオケージョン認知」と規定する。 これは、消費者が特定のブランドを思い出す際に、そのブランドに接触した、あるいはそれを利用した際の状況、場面、感情、時間、場所といった「エピソード的文脈」がどの程度付随しているかを測る指標であ
Ogata
5月28日読了時間: 15分


メッシーミドルにおけるオケージョン認知の戦略的価値と生活者行動の変容
メッシーミドルの構造的複雑性と現代消費者の心理的相克 現代のデジタル情報環境において、消費者の購買意思決定プロセスはかつての線形的な購買ファネル(例:AIDMA や AISAS)から劇的に変化している。インターネット、ソーシャルメディア、比較サイト、そして生成AIなどの普及により、消費者は無限に近い情報と選択肢に囲まれている。この結果として発生する、最初の「認知(トリガー)」から最終的な「購買」に至るまでの、混沌とした非線形の中間検討プロセスを「メッシーミドル(The Messy Middle=混沌とした中間層)」と呼ぶ。 GoogleとThe Behavioural Architectsが2019年から蓄積してきた共同研究、および2023年に発表された報告書によれば、世界の消費者の約3分の1が、購入決定とブランド・小売店の検討により多くの時間を費やすようになっている。メッシーミドルは、消費者が意思決定の過程で常にループを繰り返す二つの精神的モードによって特徴づけられる。 探索(Exploration):選択肢を広げ、情報を能動的に集める拡張活動
Ogata
5月28日読了時間: 16分


オケージョン認知を高める広告計画ー缶ビールのケース
特定の消費状況(いつ、どこで、どのような気分のときに飲むか)とブランドの記憶を強く結びつけるために、適切な「カテゴリー・エントリー・ポイント(CEP)」を設定し、配信システムとクリエイティブを連動させた計画を設計します 。 購買意欲が気象や感情、時間帯に大きく左右される「缶ビール」を例にして、具体的なオケージョン認知最大化の広告計画案を考えます。 1. 缶ビールにおけるオケージョン(CEP)の定義 缶ビールが消費されるシーンは多岐にわたるため、まずは自社ブランドが独占・強化すべき「空白のCEP(オケージョン機会)」を明確にします 。 CEP①:【ねぎらい・金曜の帰路】 「1週間頑張った自分を労う、金曜の帰り道の電車内。帰宅後にまず喉を鳴らしたい瞬間」 CEP②:【ウェザー連動・猛暑日】 「最高気温が30℃を超える日の夕方、冷たいビールが今すぐ欲しくなる瞬間」 CEP③:【日常の食卓・惣菜とのペアリング】 「お惣菜の天ぷらや餃子を買って帰る夕方、いつもの食卓を少し豊かに彩る家飲みシーン」 2. メディアミックスとオケージョン連動配信の設計.
Ogata
5月27日読了時間: 5分


購入行動におけるオケージョンの重要性とオケージョン認知理論
一般消費財(CPG/FMCG)における「世帯消費」と「個人消費」の割合は、対象とする製品カテゴリーや家族構成、そして近年のライフスタイルの変化によって大きく変動します。 一般的に、マーケティング実務や家計調査の視点から見ると、以下のような構造で整理されます。 1. カテゴリー別に見る消費主体の違い すべての一般消費財が同じ比率で消費されるわけではなく、大きく3つのグループに分類されます。 世帯消費(Shared Consumption)が中心のもの 対象: 調味料、食用油、トイレットペーパー、洗剤、大型パックの食材など。 特徴: 家族全員で共有して使うもので、購買決定権者(主に主婦・主夫)が世帯全体のニーズを代表して購入します。 割合: このカテゴリーでは、消費の80〜90%以上が世帯単位の文脈で語られます。 個人消費(Individual Consumption)が中心のもの 対象: 飲料(ペットボトル)、スナック菓子、化粧品、生理用品、個食タイプの冷凍食品など。 特徴: 「個食化(こしょくか)」の進行により、同じ世帯に住んでいても、それぞれが
Ogata
5月15日読了時間: 8分


ターゲティングにオケージョン認知理論を活用する
最新のターゲティング理論 近年のプライバシー保護規制(Cookie規制)やテクノロジーの進化に伴い、個人の属性を追いかける手法から、「状況」や「文脈」を重視する手法、そして「予測」を活用する手法へとパラダイムシフトが起きています。 現在、注目されている主なターゲティング理論とアプローチは以下の通りです。 1. コンテクスチュアル・ターゲティング(文脈ターゲティング) ユーザーが「今、何を見ているか」に基づいて広告を配信する手法です。Cookieなどの個人データに依存しないため、プライバシー規制下で再注目されています。 理論の核: ユーザーの興味関心と、表示されているコンテンツの内容(キーワード、画像、動画の文脈)を高度に一致させることで、広告の受容性を高めます。 進化ポイント: AIによる自然言語処理技術の向上により、単なるキーワードマッチングではなく、「ポジティブな文脈か」「購入を検討している文脈か」といった深い意味理解が可能になっています。 2. オケージョン・ターゲティング ユーザーの特定の「機会(Occasion)」や「生活シーン」に焦点
Ogata
5月12日読了時間: 5分


缶ビールのターゲティング戦略をオケージョン認知理論で変革する
現代の成熟した消費市場において、缶ビールカテゴリーはブランド間の物理的な機能差が消失しつつある「コモディティ化」の波に直面している。消費者はもはや、アルコール度数や原材料の微細な違いだけでブランドを選択することは少なく、その時々の「状況」や「気分」に最適化されたブランドを無意識に選択する傾向を強めている。 このような背景から、従来の性別・年齢といった人口統計学的属性(デモグラフィックス)に基づくターゲティングは限界を露呈しており、代替となる新たな戦略的パラダイムが求められている。 本レポートでは、「オケージョン認知理論」をその中核に据え、缶ビールブランドがいかにして消費者の生活文脈に深く入り込み、強固な想起基盤を構築すべきかについて、理論的背景から具体的な実証プロセス、そして国内外の先進事例に至るまでを網羅的に考察する。 オケージョン認知理論の学術的定義とメカニズム オケージョン認知とは、広義には「広告そのものの記憶が、その広告に接したときの状況や場面(オケージョン)の記憶と密接に結びついた形で保持されている状態」を指す。 これは心理学的な記憶モ
Ogata
5月12日読了時間: 13分
ブランドオケージョン認知の深化における広告コンテキストの役割と有効性
序論:ブランドオケージョン認知と広告接触の接点 現代のマーケティングにおいて、消費者の意思決定を左右するのは、ブランドに対する単なる「認知(Awareness)」ではなく、特定の購買・消費シチュエーションにおいてそのブランドがいかに速やかに、かつ確信を持って想起されるかという「メンタル・アベイラビリティ(Mental Availability)」である。 このレポートでは、ブランド接触時にオケージョンを想起することを「ブランドオケージョン認知」と規定し、この認知を高めるために「広告オケージョン認知(広告にいつ、どこで、どのような状況で接触したかの認知)」の向上がいかに有効であるかを、認知心理学の基本原理である符号化特定性原理、連合ネットワークモデル、およびカテゴリ・エントリー・ポイント(CEP)の理論的枠組みを用いて論証する。 消費者がブランドを選択する瞬間は、多くの場合、何らかのニーズや特定の状況によってトリガーされる。この「状況」と「ブランド」が脳内でいかに強力にリンクされているかが、購買行動の成否を分ける。広告はこのリンクを構築・強化するた
Ogata
5月10日読了時間: 16分
これからのブランディング:広告と体験の統合によるメンタル・アベイラビリティの再構築
現代のマーケティング環境において、消費者の購買行動を左右するのは、もはや単なる「ブランドの名前を知っている」という抽象的な認知度ではない。情報の過剰供給とメディアの断片化が進む中で、企業が真に追求すべきは、消費者が特定の購買動機や必要性に駆られた瞬間に、自社ブランドが自然かつ迅速に脳内で呼び起こされる状態、すなわち「メンタル・アベイラビリティ(精神的な買いやすさ)」の構築である。 このメンタル・アベイラビリティを高めるための鍵として、近年注目を集めているのが「オケージョン認知理論」である。オケージョン認知とは、広告を見た記憶が、その広告に接した際の状況や情景、すなわち「オケージョン」と結びついて保持されている状態を指す。 本レポートでは、オケージョン認知理論をブランディングに活用する現実性について、ブランドの「広告」という情報の符号化側面と、「体験」という価値の具現化側面の二つの軸から詳細に分析する。さらに、これらを統合し、消費者の記憶構造をいかに強固なものにするかという戦略的アプローチを、実証データと既存のマーケティング科学の知見に基づいて考察
Ogata
5月7日読了時間: 15分
オケージョン認知とカテゴリー・エントリー・ポイント(CEP)の理論的統合
現代のマーケティングサイエンスにおいて、ブランドの成長を規定する最も重要な因子の一つとして、バイロン・シャープ教授やジェニ・ロマニウク教授ら、エーレンバーグ・バス研究所が提唱する「メンタル・アベイラビリティ(精神的な買いやすさ)」が挙げられる。 この概念は、消費者が特定の購買状況に直面した際、自社ブランドがいかに容易かつ迅速に想起されるかを示すものであり、伝統的なブランド認知率や好意度といった指標を超えた、実証的なブランド成長の指標として注目を集めている。 当オケージョン認知ラボでは、広告接触時の状況や場面(オケージョン)を広告内容と共に記憶する「オケージョン認知」という概念を提唱している。 この二つの理論は、ブランドと生活者の記憶構造(メモリー・ストラクチャー)をいかに構築し、購買行動へと繋げるかという点において、極めて高い親和性と補完性を有している。 本レポートでは、カテゴリー・エントリー・ポイント(CEP)とオケージョン認知の概念的共通性を精緻に分析し、それらをマーケティング実務において連動させるための具体的なフレームワークと戦略的意義につ
敦 緒方
4月3日読了時間: 14分
マーケティング・サイエンスの観点からオケージョン認知をみる
1.従来の広告認知度指標の限界 現代のマーケティングコミュニケーションは、認知度獲得から行動喚起(Action-oriented communication)へと重点を移行させています。 しかし、従来用いられてきた広告効果測定指標、例えば純粋想起や助成想起は、消費者が広告メッセージを記憶しているかという記憶の「量」や「存在」を測るには適していますが、その記憶が、特定の時間や場所といった文脈において、消費者行動をどの程度トリガーするかという記憶の「質」を評価することには限界がありました。 特に、購買行動や情報探索意図が特定の状況や場面に強く依存する場合、この記憶の質の測定が不可欠となります。 オケージョン認知開発の背景と目的 交通広告(OOHメディア)は高いリーチポテンシャルと接触機会を提供する一方で、その効果測定はGRPや推定接触者数といった古典的な指標に留まり、デジタル広告のインプレッションに見られるような、簡易に測定ができ、定量把握が可能な行動系KPIとの連携指標が不足していました 。 株式会社ジェイアール東日本企画(jeki)は、この測定の
敦 緒方
1月20日読了時間: 13分
オケージョン認知と低関与学習
1)オケージョン認知と「低関与学習」について オケージョン認知は、低関与学習によって形成された浅い認知を行動喚起の瞬間に強力に作用する「文脈的トリガー」へと変換するメカニズムとなる可能性が確認されました。 低関与学習は通常メッセージ内容の深い情報処理を伴わないため、態度変容の持続性や行動喚起力が弱いという課題を内包します。 しかしオケージョン認知は、広告接触時の特定の「場面や状況」(オケージョン)と記憶を強く結びつけることで、低関与学習の本質的な文脈依存性を戦略的に利用し、行動への移行効率を劇的に高めることになります。 特にOOHメディア、中でも交通広告は、消費者の移動や行動という具体的なオケージョンと広告接触が強く結びつく媒体特性を持つため、オケージョン認知による低関与学習強化効果が顕著に発揮されます。 オケージョン認知は、従来のOOH広告が抱えていた、リーチから最終的なマーケティングKPIへの貢献度を測る中間指標の欠如という課題を解決する、新たな広告評価指標として戦略的価値を持つと結論づけられます。 2)低関与学習の効果階層モデ
敦 緒方
1月19日読了時間: 3分
bottom of page