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オケージョンブランディングとは、

  • 4 日前
  • 読了時間: 5分
消費者が特定のオケージョン(利用場面・状況・文脈)に置かれたときに、真っ先に想起され、選択されるブランドになることを目的としたブランディング活動

と定義できます。

従来のブランディングが「ブランドイメージ」や「ブランド価値」の形成を重視してきたのに対しオケージョンブランディングは「いつ、どんな時に思い出されるか」を重視します。


なぜオケージョンが重要なのか

消費者は通常、「このブランドを買おう」から行動を始めるのではなく、

  • 「喉が渇いた」

  • 「疲れた」

  • 「友人と集まる」

  • 「手土産が必要」

  • 「転職を考え始めた」

といった状況から行動を始めます。

つまり購買の起点はブランドではなくオケージョンです。

そのためブランドのテーマは、

「どんな価値を持つブランドか」

だけでなく、

「どんな時に思い出されるブランドか」

の確立になります。


オケージョンブランディングの構造

基本構造は次のようになります。

オケージョン発生カテゴリー想起ブランド想起選択・購入

例えば、「仕事が終わった」→「晩酌したい」→「焼酎を飲もう」→「黒霧島にしよう」

という流れです。

ブランドはオケージョンの中で選ばれます。


オケージョンブランディングの目的

目的は大きく3つあります。

① 想起機会を増やす

ブランド認知率ではなく、想起される場面の数と強さを増やします。

例えば、

  • 夏の暑い日

  • BBQ

  • 花火大会

  • スポーツ観戦

など複数のオケージョンと結び付けることで、ブランドが思い出される機会を増やします。


② 想起順位を上げる

オケージョンの中で、「最初に思い出されるブランド」になることを目指します。

消費者は多くの場合、最初に想起した少数ブランドの中から選択します。


③ 新しい需要を作る

既存オケージョンを奪うだけでなく、新しいオケージョンを創造します。

例えば、

  • エナジードリンク=頑張る前

  • 栄養ドリンク=疲れた時

  • 炭酸水=リフレッシュしたい時

のように、新しい利用文脈を社会に定着させることです。


CEP理論との関係

オケージョンブランディングは、Category Entry Point理論と親和性が高い考え方です。

CEPでは、

「ブランド想起を引き起こす状況的手掛かり」

を増やすことが重要とされます。

オケージョンブランディングはこれをさらに発展させ、

「ブランドを想起させるオケージョン自体を設計・強化する」

ことを目指します。


オケージョンブランディングの特徴

従来型ブランディングとの違いを整理すると、

従来型ブランディング

オケージョンブランディング

ブランドイメージを作る

ブランド想起の場面を作る

「何者か」を伝える

「いつ思い出すか」を作る

態度変容を重視

想起形成を重視

ブランド中心

オケージョン中心

競合カテゴリー内で比較

オケージョン内で比較


一言で表すとオケージョンブランディングとは、

ブランドの認知や好意を高める活動ではなく、「特定の状況でそのブランドを思い出す習慣や記憶構造を形成する活動」である

と言えます。

そのため成功指標は単なる認知率や好意度ではなく、

  • どのオケージョンで

  • どれだけ

  • 真っ先に

想起されるか、という「オケージョン想起シェア」に置かれることになります。



オケージョン認知との関係性


オケージョン認知は理論・現象であり、オケージョンブランディングはその理論を活用したブランド形成手法という関係になります。

オケージョン認知は、

「広告そのものについての記憶が、その広告に接した時の状況や場面の記憶と結びついた形で保持されていること」

として提唱しています。調査では、オケージョン認知された広告は購入意向や推奨意向などの態度変容が高い傾向が示されています。


オケージョン認知の本質

当ラボでは、

広告は単独で記憶されるのではなく、接触した場面とセットで記憶される

という点が重要と考えています。

例えば、

  • 通勤中に駅で見た広告

  • 帰宅途中に見た広告

  • 買い物に向かう途中に見た広告

は、「広告の内容」だけでなく、「その時の生活文脈」と一緒に記憶されます。

つまり、

オケージョン認知 = 広告記憶と生活オケージョンの結合

です。


オケージョンブランディングへの発展

この理論をブランド戦略に応用すると、広告を覚えてもらうことよりも、

特定のオケージョンでブランドを思い出してもらうことが目的になります。


つまり、

オケージョン認知

「広告と場面が結び付いて記憶される」

オケージョンブランディング

「ブランドと場面が結び付いて想起される」

という発展関係になります。


関係を図式化すると

生活オケージョン→広告接触→オケージョン認知(場面と広告の結合)→ブランド記憶形成→将来同じオケージョン発生→ブランド想起→購買・利用

となります。


この流れの中で、

  • オケージョン認知=記憶形成メカニズム

  • オケージョンブランディング=そのメカニズムを利用したブランド戦略

と位置付けられます。


オケージョン認知とオケージョンブランディングの結合

オケージョンブランディングは、オケージョン認知の発想をブランドレベルに拡張したものと考えられます。

その場合、

  • オケージョン認知 = 「状況や場面が認識されること」

  • オケージョンブランディング = 「その状況や場面とブランドの結び付きを構築すること」

となります。

さらに一歩進めるなら、

オケージョン認知はオケージョンブランディングの基盤理論であり、オケージョンブランディングはオケージョン認知をブランド資産化するための実践体系である

と定義することができます。

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